講義10 システムの可制御性と可観測性
実問題で重要になる「可制御性」と「可観測性」
可制御でなければ、フィードバック制御ができない
可観測でなければ、オブザーバが構成できず、状態ベクトルが推定できず、結果、フィードバック制御ができない
線形システムの構造
のシステムを対角化すると、
ここで、
状態遷移図で描くと、
となり、各固有値 ごとのサブシステムで構成されていることが分かる
ここで、
のサブシステムを 不可制御なサブシステム
のサブシステムを 不可観測なサブシステム
という
具体的なサブシステムの分析
下記のシステムについて
対角化すると、
状態変数線図は、
となる。
固有値が 1 のサブシステムは、不可観測
固有値が 3 のサブシステムは、不可制御
固有値が -2 のサブシステムだけ、可制御・可観測
になっている。
ちなみに、逆行列の取り方によって、の順番や符号が多少変化する。
参考書などの結果を再現させる際は注意。
線形システムの可制御性・可観測性
それぞれ下記の行列のランクを調べることで、可制御性・可観測性を調べることができる
可制御性行列
上記、可制御性行列において、 であれば、システムは可制御である
可観測性行列
上記、可観測性行列において、 であれば、システムは可観測である
参考文献
この記事は以下の書籍を参考にしましたが、
私の拙い知識で書いておりますので、誤り等ありましたらご指摘ください