カルマンフィルタの基礎 第3回
第1回では、「真値を一次関数でモデル化して、最小二乗法で推定する」を行った
今回は、真値の確率分布が正規分布(ガウス分布)になる、と仮定して、
ベイズの定理を使って、真値を推定する方法を紹介する
ベイズの定理
カルマンフィルタでは、観測値として が計測された際に、真値 の値を推定する
これは、ベイズの定理で言うところの「条件付き確率」になり、
と表現できる
ベイズの定理の導出
ベイズの定理を導き出す上では、 と の同時確率を考える
と の同時確率は
「 が発生する確率」 と 「 のときに が発生する確率」の掛け算と、
「 が発生する確率」 と 「 のときに が発生する確率」の掛け算と、
に一致する
この関係から、下記のベイズの定理を導き出せる
正規分布の最尤推定法(スカラの場合)
事前に、 について、 と が分かっているとすると、
「 が発生する確率」は、下記になる
次に、「 のときに が発生する確率」は、
と の関係 から求めることができる
こちらも事前に、 について、 と が分かっているとすると、
「 のときに が発生する確率」は、「 が になる確率」になるので、下記になる
ここで、 の関係も使用した
最後に、「 が発生する確率」を求めると、
となるが、この は、 の関係から求めることができる
ここで、 を用いた
これらから、 を計算すると
の平方完成
指数部を について整理する
について平方完成すれば、最も確率の高くなる の値が分かり、推定値 を求めることができる
まずは、指数部の1,2項を抽出する( も取り除く)
さらに、 , とおくと
ここに、3項目を追加すると、指数部は下記になる
次に係数部を計算すると下記になる
ここで、
とおくと、
さらに、 を
とおくと、
となり、平均が , 分散が の分布となる
この結果は、最小二乗推定法の結果と同じになっている
今回は省略するが、多変数の場合も同様に計算でき、こちらも最小二乗推定法の結果と同じになる
参考文献
この記事は以下の書籍を参考にしましたが、
私の拙い知識で書いておりますので、誤り等ありましたらご指摘ください