Pythonで学ぶ! ベイズ統計 第3回
ベイズ更新と、複数の仮説の場合
ベイズ更新
前回の続き
1回目の検査で陽性だった人が、再度別の検査を実施した場合を考える
- 1回目の検査で陽性だったため、再検査前の病気の確率は3.2%
- 再検査では、病気に罹患している場合は、98%の人が陽性になる
- 再検査では、病気に罹患してない場合も、2%の人が陽性になる
再度、「"陽性"の場合に"罹患している"」で、を求める
から
となり、陽性の確率が3.2%から61.8%に更新される
複数の離散仮説
先ほどの例だと、「陽性」「陰性」の2つの"仮説"だったが、複数の仮説の場合を考える
仮説が個ある場合、という結果が得られた場合、仮説の確率は、下記のように更新される
ここで、
- :事前確率
- :尤度(ゆうど)
- :事後確率
と呼ばれる
分母は、が得られる確率の総和になる(つまり)
分子が、そのが得られる中でも仮説が成り立つ場合になっている
具体例
ボールが入った3つの箱がある場合
- 箱1:赤いボールが2個、白いボールが8個
- 箱2:赤いボールが3個、白いボールが7個
- 箱3:赤いボールが4個、白いボールが6個
とある箱が、箱であるという仮説をとする
事前確率を2種類考える
- 情報がなく、全部等確率
- 情報がある
この時に、1つボールを取り出した際に「赤」だった場合、それぞれの尤度は、
なので、
各事後確率は下記のようになる
事前情報なし(等確率)
事前情報あり
となる
表にすると
事前(情報なし) | 事後(情報なし) | 事前(情報あり) | 事後(情報あり) | |
---|---|---|---|---|
0.333 | 0.222 | 0.500 | 0.375 | |
0.333 | 0.333 | 0.333 | 0.375 | |
0.333 | 0.444 | 0.167 | 0.250 |
事前情報の有無で、更新後の確率も変化する
今回の場合だと、箱1は赤いボールが少ないので、赤いボールが出た場合は、 の確率は下がる
参考文献
この記事は以下の書籍を参考にしましたが、
私の拙い知識で書いておりますので、誤り等ありましたらご指摘ください